中性脂肪が高いと言われたらどうすればいい?健康に及ぼすリスクや対処法
中性脂肪が高いと言われたものの、どう対処したらいいかわからない方がいるのではないでしょうか。
また、具体的な予防策がわからず、不安な日々を送る方もいるでしょう。
本記事では、中性脂肪の概要や基準値、中性脂肪の高値によって起こるリスクや予防方法を解説します。
中性脂肪をうまくコントロールし、病気を予防しながら健康的な毎日を送りましょう。
そもそも中性脂肪とは?
中性脂肪とは、エネルギー源であるブドウ糖が体内で少なくなった場合に、その状態をカバーするものです。
食事によって体内に取り入れられたエネルギーが余ると、肝臓で中性脂肪が生成され、内臓脂肪や皮下脂肪として蓄えられます。
内臓脂肪とは、内臓の周りにつく脂肪を指します。
皮下脂肪とは、皮膚の下にある皮下組織につく脂肪です。
中性脂肪が増えすぎると、内臓脂肪や皮下脂肪となり、肥満やあらゆる不調を引き起こす原因になります。
しかし、中性脂肪は体内のエネルギーが不足した場合の代役になることもあります。
そのため、適度な中性脂肪の摂取は必要です。
健康診断で中性脂肪の数値が「高い」と診断される基準は?
中性脂肪はトリグリセライドとも呼ばれ、血液検査を受けることで数値として把握することが可能です。
健康な方の中性脂肪の基準値としては、空腹時の測定で30〜149mg/dLとされています。
150mg/dLを超えると、中性脂肪が高いことになり、脂質異常症の一種である高トリグリセライド血症と診断されます。
また、空腹でない場合の採血時で175mg/dL以上の場合も高トリグリセライド血症と診断される点も知っておきましょう。
中性脂肪の数値が高いと引き起こされる病気
中性脂肪の数値が高いと、以下の病気が引き起こされるリスクがあります。
動脈硬化
中性脂肪が多すぎると、血管が老化し、動脈硬化が加速する可能性があります。
動脈硬化が進行すると、血流が悪化して心筋梗塞や狭心症、脳梗塞などの命に関わる重篤な疾患を発症するため、早期発見・早期治療が重要です。
メタボリックシンドローム
体内で余った中性脂肪が腹部の内臓周りに蓄積して内臓脂肪型肥満になると、メタボリックシンドロームを引き起こします。
メタボリックシンドロームは、内臓脂肪型肥満に加え、高血圧や糖尿病、脂質異常症のなかで2つ以上該当する状態を指します。
症状が進行すると、動脈硬化を急速に悪化させる原因にもなるため、早期治療が重要です。
肥満
中性脂肪は必要に応じて分解され、体を動かすエネルギー源として利用されます。
しかし、食事で摂取したエネルギーが消費するエネルギーを上回ると、余分なエネルギーは肝臓で中性脂肪になり、内臓脂肪や皮下脂肪として蓄積されます。
体脂肪率が高くなると、高血圧や糖尿病、心血管疾患などの生活習慣病を引き起こす原因になるため、肥満予防につながる対策の実行が重要です。
急性膵炎
急性膵炎は、肝臓が出す消化酵素が原因となり、みぞおち付近の激しい痛みや吐き気、発熱などを引き起こす疾患です。
一般的に中性脂肪の値が500mg/dLを超えると、急性膵炎の発症リスクが高まるとされています。
異所性脂肪
内臓脂肪や皮下脂肪の脂肪組織に入り切らなくなった中性脂肪が、心臓や肝臓、筋肉などに蓄積すると、それらの臓器の機能が低下します。
たとえば、異所性脂肪の蓄積により、脂肪肝になると肝がんや肝硬変などを引き起こすのが特徴です。
中性脂肪が高くなる原因には何がある?
中性脂肪が高くなるおもな原因として挙げられるのは、以下のとおりです。
- 運動不足
- 太りすぎ
- 食べすぎ
- アルコールの飲みすぎ
上記に問題がある場合は、運動習慣や食習慣の改善が必要不可欠です。
中性脂肪を下げる方法
中性脂肪を下げるためには、以下の習慣を心がけることが大切です。
日々の生活を送るうえで、できることから実践していきましょう。
適度な運動を心がける
中強度の有酸素運動を週に150分以上おこなうと、中性脂肪が改善される可能性があります。
ウォーキングやジョギング、筋力トレーニングなどを取り入れ、運動不足が起こらないよう心がけましょう。
アルコールの摂取は1日25gにとどめる
アルコールの飲みすぎは中性脂肪を高める原因になります。
1日あたりのアルコール摂取量を25gに制限しましょう。
以下の摂取量を1日の目安として調整してください。
- ビール:中びん1本(500ml)
- チューハイ:アルコール度数7%のもの1缶(350ml)
- 日本酒:1合(180ml)
- ワイン:グラス2杯(200ml)
- 焼酎:グラス1/2杯(100ml)
- ウイスキー:ダブル1杯(60ml)
栄養バランスの整った食事を心がける
栄養バランスの整った食事を心がけることで、中性脂肪がコントロールしやすくなります。
魚や野菜、海藻類を積極的に食べ、アルコールや炭水化物、砂糖の多いお菓子や飲み物は控えましょう。
また、糖質はなるべく脂質やたんぱく質に置き換えることが大切です。