どうして健康診断を受けるの?
健康診断って?
毎年受けている健康診断、正直何のために受けているか分からない。
そう思ったことはありませんか?
健康診断は、カラダの健康状態を検査するために行います。
生活習慣病をはじめ、様々な病気の早期発見や早期治療、病気そのものの予防に役立つのです。
特に生活習慣病はほとんど場合が自覚症状はなく、自分では健康だと思っていることが多いです。
他の病気も、早期の段階では自覚症状はなく、症状が現れる頃にはもう遅かったということもあります。
症状のない病気を早期に発見するには、無症状でも定期的に健診を受けることが大切です。
絶対に受けないとダメ?
採血やバリウム検査などに抵抗を感じ、健康診断そのものに対してマイナスな気持ちを抱いている方が多いのではないでしょうか。
しかし、企業(事業者)側には対象の従業員に健康診断を実施する義務があります。
また、従業員側にも自己保健義務であったり、労働安全衛生法に「労働者は事業者が行う健康診断を受けなければならない」とあるように、健康診断を受ける義務があります。
従業員が健康診断を受けないことに対して、特に罰則等は設けられていませんが、もし受けなかった場合には企業側に50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
そのため、受診拒否する従業員に対して懲戒処分の規則を設けている企業もあり、対象の従業員は健康診断を必ず受ける必要があるといえます。
健康診断にかかる費用は原則企業側が負担することとなっています。
しかし、労働安全衛生法で定められていないオプション検査や再検査、人間ドックなどは基本的に従業員の自己負担となるため注意が必要です。
健診には「一般健診」と「特殊健診」がある
健康診断は大きく「一般健診」と「特殊健診」に分けられ、そこからさらに細かく分類されます。
- 一般健診
一般健診は職種に関係なく実施する健診で、すべての企業・労働者が対象となります。
従業員の健康状態を把握し、病気の予防や、生活習慣病等の増悪防止を図ることなどを目的として実施されます。 - 特殊健診
労働安全衛生法が定める業務または特定の有害物質を取り扱う従業員に対して実施する健診です。
作業による健康障害を未然に防ぐことを目的として実施されます。
今回は最も身近な「一般健診」についてご紹介します。
一般健診の種類
一般健診にはいくつか種類があり、主に「定期健診」「雇入れ時の健診」「特定業務従事者の健診」「海外派遣労働者の健診」の4つがあります。
定期健診
定期健診は、正社員だけでなく、パートやアルバイトも含む週30時間(正規従業員の労働時間の4分の3)以上働く従業員に対して義務付けられている健診で、1年に1回以上の実施が定められています。
また、「常時使用する従業員」が50人以上在籍する企業は、所轄労働基準監督署長に「定期健康診断結果報告書」を提出する必要があります。
雇入れ時の健診
雇入れ時の健診は、企業が常時使用する従業員を新たに採用する際に実施する健診です。雇入れ前3ヶ月以内の健診結果を証明できる書面を提出できる場合には、雇入れ時の健診は免除となります。
特定業務従事者の健診
特定業務従事者の健診は、深夜業や有害物質を取り扱う業務など、「特定業務」として定められている業務に従事する従業員が対象の健診で、特殊健診とは別の健診になります。
当該業務への配置替えおよび6ヶ月以内ごとに1回実施する必要があります。
この健診は、リスクのある環境下で働く従業員の健康を守るために行われます。
海外派遣労働者の健診
海外派遣労働者の健診は、6ヶ月以上海外に派遣される従業員に対して、その派遣前および帰国後に実施する健診です。
海外派遣では、生活環境の変化や医療体制の違いから持病の悪化や新たな疾病への罹患など様々なリスクがあるため、渡航前に健康状態の確認を行います。
自分自身の健康状態を知るために
健康診断は、自身の健康状態を調べる検査です。
定期的に検査を受けることで病気の早期発見・早期治療が可能となります。
企業が実施する健康診断には、企業側には健診実施の義務が、従業員側には検査を受ける義務があります。
自分の健康状態を知る良い機会にもなるため、健康診断は必ず受けましょう。