健康診断と人間ドックのちがい
みなさんは、健康診断と人間ドックの違いをご存じですか?
「会社負担か自己負担か、、」
「人間ドックのほうが細かい検査なんだろうけど、、」
こういった曖昧な認識の方もいるかと思います。
それぞれの違いを知り、必要に応じて適切な検査を受けましょう。
健康診断とは
健康診断は、カラダの健康状態を診察し、病気の可能性がないかを調べます。
一般的な病気やその兆候をおおまかに調べるために、年齢に応じた検査を行います。
健康診断を受けることによって、どんな病気であっても一番重要となる『早期発見・早期治療』が可能となります。
企業に勤めている場合は、年に1回の健康診断受診が労働安全衛生法によって義務付けられています。
定期健康診断の主な検査項目は下記の通りです。
- 身体計測
- 血液検査
- 胸部X線検査(レントゲン)
- 尿検査
- 心電図検査
- 聴覚検査
健康診断は人間ドックに比べて検査項目が少なく、1時間程度で検査が完了します。
人間ドックとは
人間ドックは、健康診断をより精密にしたもので、自覚症状のない病気や、将来病気を引き起こす可能性のある体の異常を見つけるために行います。
様々な角度から身体の異常を調べることができるという利点が一番大きいのではないでしょうか。
健康診断とは異なり、個人の意思によって受診する検査で、自分で検査項目を選んで受診できるため、検査したい箇所をより詳しく調べることができます。
オプション検査では、自身の年齢、既往歴、家族歴、生活習慣、現在の健康状態などから発症リスクのありそうな病気を選ぶと良いでしょう。
また、女性特有の乳がん・子宮頸がんや、男性特有の前立腺がんなど、健康診断だけでは見つけることが難しい病気の早期発見もできます。
ただし、人間ドックは自費(保険適用外)となりますので注意が必要です。
健康診断と人間ドックのちがい
健康診断 | 人間ドック | |
---|---|---|
特徴 | 体の状態を大まかに検査できる | 全身を詳しく検査できる |
目的 | 生活習慣病等の早期発見 健康状態の維持・増進 | 健診では見つけにくい病気の早期発見や予防 発症リスクのある病気の把握 健康状態の維持・増進 |
検査項目数 | 10〜15項目程度 | 50項目以上 |
費用 | 1〜3万程度 | 4〜10万以上 |
健康保険の適用 | あり | なし |
検査結果の説明 | 検査結果の書類が後日届く | 医師から直接説明が受けられる |
健康診断はおおまかにカラダの状態を調べるのに対し、人間ドックは全身を細かく検査します。
検査項目が多い分、健康診断よりも早期発見できる病気の数も多く、発症リスクのある病気を知ることもできます。
人間ドックの検査項目は医療機関やプランによって様々ですので、自身が受診する医療機関に確認することをおすすめします。
健康診断ではなく人間ドックを選ぶ意味
人間ドックは健康診断より検査項目が多い分、健康診断だけでは見つけることのできない病気の発見ができるのが1番のメリットと言えるでしょう。
また、発症リスクのある病気を知ることができ、病気の予防や健康の維持にも役立ちます。
細かい箇所を詳しく検査できるため、不安も解消しやすいでしょう。
人間ドックでは主に以下のような検査を受けることができます。
- 胸部・腹部CT検査
- 腹部超音波検査
- 胃内視鏡検査
- 大腸内視鏡検査
- 腫瘍マーカー検査
- マンモグラフィ検査
- 肺機能検査
検査終了後は医師から検査結果の説明を受けます。
気になることを相談できる良い機会ですので、医師と直接話をしたい方にはおすすめです。
また、家族歴に遺伝性疾患のある方、気になる症状がある方は人間ドックの受診を推奨します。
人間ドックの受診者は、定期健診のみの受診者と比べて医療費削減効果が示されたとの発表もされています。
健康診断と人間ドック、それぞれ受診後5年間の1人当たりの累積医療費は年齢によって変わってきますが、人間ドックの方がおよそ15~30万円ほど安く済んでいるのです。
この医療費の要因として大きいのが入院費用や手術費用となっています。
人間ドックは小さな病変部をも見つけることができるため、迅速に病気への対処ができ、これらの医療費を削減することができると言えます。
人間ドックは健康診断よりも病気の早期発見が可能なのです。
健康に過ごすために
健康診断と人間ドックは、受けられる検査の項目数や内容が違い、どちらか一方だけを受ければ良いという訳ではありません。
健康診断は基本的に年1回の受診が定められていますが、病気に対する不安や心当たりがある方は人間ドックも積極的に利用しましょう。
近年では、健康寿命についての関心が高まっています。
支援や介護が必要な生活よりも、健康で元気な生活を送りたいですよね。
将来への不安を減らすためにも、今から定期的な検査を習慣化していきましょう。
健康診断だけでは不安な場合、人間ドックを受診する手もあるということを頭の片隅に置いておいてください。