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生活習慣病

忘年会や新年会!飲み過ぎによる肝臓障害は?

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忘年会や新年会のシーズンになるとお酒を飲む機会が増える方も多いのではないでしょうか。
ここで注意したいのが「飲み過ぎ」です。

アルコールを過剰に摂取すると、肝機能が低下し、肝臓の疾患に発展するリスクがあります。
気づいたときには、病状が深刻になり、治療が難しくなるケースもあるでしょう。

本記事では、肝臓に関わる疾患や検査項目などについて解説します。

肝臓の機能を守り健康的に生活するためにも、規則正しい生活習慣を維持していきましょう。

肝臓は物言わぬ臓器

肝臓は「沈黙の臓器」といわれるほど、肝機能障害が起こっても症状が出ないことがあります。
そして、症状が現れたときには、すでに肝臓の状態がかなり悪化している場合もあるでしょう。

肝臓の機能が低下すると、食欲がなくなったり、疲れやすくなったりします。
また、倦怠感も起こる場合があります。
普段から、自身の体調の変化に意識を向けておくことが重要です。

肝機能検査で把握すべき指標

「いつもと様子が違う」「どこか体調がすぐれない」
このような感覚がある場合は、一度肝機能検査を受けてみることをおすすめします。

検査を受ける際は以下の検査項目を確認し、自身の健康状態をチェックしましょう。

検査
項目
基準値概要基準値外の場合のリスク
GOT
(AST)
30U/l
以下
肝細胞をはじめ、心筋や腎臓の細胞に多く含まれる
酵素。体の代謝をスムーズに進める役割を担う。
アルコール性肝炎・脂肪肝・肝硬変・心筋梗塞・急性/慢性肝炎
GPT
(ALT)
30U/l
以下
肝細胞に多く含まれる酵素であり、アミノ酸を生成し、代謝を助ける役割がある。脂肪肝・肝硬変・心筋梗塞・アルコール性肝炎・急性/慢性肝炎
γ-GTP
(γ-GT)
50U/l
以下
小腸や膵臓、肝臓などに含まれる酵素。
薬剤やアルコールなどを無害化する作用がある。
アルコール過剰摂取・肝臓病・胆道炎・総胆管結石
ALP38〜113U/l
以下
肝臓や胆道、小腸や腎臓などに含まれる酵素。
肝臓障害や胆道に炎症が起きると数値が高くなる。
骨肉腫・甲状腺亢進症・胆管炎・総胆管結石・急性/慢性肝炎
総蛋白6.5〜8.0g/dl血液から赤血球などの血球成分を除いたものを血清と
いい、血清中に含まれる蛋白を総じて総蛋白と呼ぶ。
高値:膠原病・感染症・脱水症
低値:栄養障害・腎臓病・肝硬変・慢性肝炎
アルブミン4.0g/dl
以上
血清中の蛋白の半分以上を占める。数値の減り具合
から疾患の程度を判断するために用いられる。
肝臓病や腎臓病
総ビリルビン1.1mg/dl以下寿命がつきた赤血球が肝臓などで破壊され、それを
もとに生成される色素。胆汁色素とも呼ばれ、胆汁の主成分。
急性/慢性肝炎・胆石症・黄疸・肝硬変
LDH230U/L未満骨格筋や血液、心臓などに含まれている酵素。
体内のブドウ糖がエネルギーに変わる際に作用する。
急性/慢性肝炎・心筋梗塞・肝硬変
アミラーゼ50〜200IU/L膵臓や唾液腺、耳下腺などから分泌される消化酵素。膵臓の機能障害を見つける手がかりになる。急性/慢性膵炎・膵臓がん・耳下腺炎・慢性腎不全。

アルコールと肝臓障害

アルコールと肝臓障害には、密接な関係があります。
アルコールが原因で起こる肝臓障害の1つが脂肪肝です。

肝臓には通常でも細胞の約10%に中性脂肪が貯蔵されています。
脂肪肝はその状態が30%になった状態です。
アルコールを摂取し過ぎると脂肪酸から中性脂肪が大量に合成され、肝臓の細胞に蓄積され、脂肪肝につながります。
余分な中性脂肪は血液内にも流れ込み、動脈硬化や高脂血症などの原因にもなります。
また、内臓脂肪型の肥満の原因にもなるため、治療が必要です。

脂肪肝を放置すると、肝臓の細胞が破壊され、肝硬変へ進行します。
さらに肝がん肝不全などへ悪化する可能性があるため、早期治療が必要不可欠です。

慢性肝炎や肝硬変とは?肝臓がんになるリスク

慢性肝炎は、肝炎ウイルスに感染し、ウイルスが長い間体に存在することで肝硬変になります。
肝硬変になると黄疸や腹水、むくみといった症状がみられるようになり、肝臓がんを発症しやすくなります。

肝硬変につながる肝炎ウイルスに感染するおもな原因は以下のとおりです。

  • 性行為による感染
  • 輸血などの血液製剤による感染
  • 妊娠・分娩にともなう母子感染
  • 針刺し事故・注射器の使いまわしによる感染

定期的な健診で肝臓の状態を確かめよう

肝臓は沈黙と臓器と呼ばれるほど、症状が出にくいため、発見が遅れる場合があります。
症状が現れたときには、病状が進行し、治療が困難な場合もあります。

大切なのは、早期発見・早期治療です。
肝臓の状態を定期的に確かめるためには、定期的に健康診断を受診することが重要です。
自身の健康状態を維持するためにも、健康診断を受け、肝機能に関わる数値をしっかりチェックしましょう。

異常がみられる場合は、医師の指示に従い、適切な治療を受けてください。

監修医師紹介
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
医療法人 星敬会 理事長
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