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健康診断

親族ががんだと遺伝する?検査や予防方法について

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「がんは遺伝するの?」
親族にがん患者が多いと不安になられている方もいるのではないでしょうか。

がんには、遺伝するものとしないものがあります。
親族にがん患者がいたとしても、必ずしも発症する可能性が高くなるわけではありません。
本記事では、遺伝するがんと遺伝しないがんの概要や、がんの種類・検査・予防方法を解説します。
がんに関する知識を深め、必要に応じて検査を受け、予防に努めましょう。

遺伝しないがんと遺伝するがんについて

がんは「遺伝しないがん」と「遺伝するがん」2種類に分かれます。
それぞれ詳しく解説します。

遺伝しないがん

遺伝しないがんの特徴としては、親が生活習慣などによって後天的にがんになった場合です。

加齢や喫煙、飲酒や運動不足といった生活習慣病の要素によって、親が後天的にがんになった場合は、子どもに影響しないと考えられています。

もともと健康体だった方が、生活習慣が乱れることでがんになったとしても、子どもががんに罹患するといった因果関係は想定されていません。

遺伝するがん

一部のがんの場合は、遺伝によって発症リスクが高まることがわかっています。
遺伝が原因で生じるがんを「遺伝性腫瘍」と呼びます。

がん患者さんの全体の5〜10%程度とされており、両親のうちどちらかががんにかかりやすい遺伝子を保有していた場合は、2分1の確率で子どもに遺伝するのが特徴です。
ただし、生まれながらにがんにかかりやすい遺伝子を持っていたとしても必ずがんを発症するとは限りません。

以下の特徴に当てはまる場合は、遺伝性腫瘍を発症する可能性があるため、遺伝子検査を受ける必要があります。

  • 多発がん・重複がんといった複数のがんにかかった
  • 家族が遺伝性腫瘍と診断された
  • 血縁者に希少がんにかかった人がいる
  • 自身または血縁者が若いときにがんにかかった
  • 血縁者のなかで複数人が同一のがんにかかった
  • 目や腎臓、乳房といった対になっている臓器にがんが発生した

遺伝するがんの種類

主に遺伝するがんの種類は以下のとおりです。

疾患名腫瘍が発生するおもな場所
多発性内分泌腫瘍症1型副甲状腺や下垂体などを含む内分泌臓器
多発性内分泌腫瘍症2型甲状腺・副甲状腺など
リー・フラウメニ症候群副腎皮質や脳など
家族性大腸腺腫症大腸・胃・十二指腸・甲状腺など
リンチ症候群大腸・子宮・卵巣・膀胱・小腸・胃など
遺伝性乳がん卵巣がん膵臓・卵巣・乳房・前立腺など

がん検診と検査の種類について

がんの有無を調べるためには検診を受け、適切な検査を受ける必要があります。
自身の健康維持・増進を図るためにも、以下の検診・検査を定期的に受けておきましょう。

検診の種類検査内容推奨年齢受診の目安
子宮頸がん検診問診・視診・HPV検査単独法20歳以上20歳以上の方は2年に1回
30歳以上の方は5年に1回
乳がん検診問診・マンモグラフィ検査40歳以上2年に1回
肺がん検診問診・胸部X検査40歳以上1年に1回
大腸がん検診問診・便潜血検査40歳以上1年に1回
胃がん検診問診・胃部X線検査・胃内視鏡検査50歳以上2年に1回

健康診断を受ける際、胃カメラと大腸カメラ検査のご検討を

年に一度、健康診断を受けるタイミングで、胃カメラ大腸カメラの検査も受けることで、自身の健康状態やがんの有無を知るのによい機会となります。
(クリニックによっては健康診断とは別日になる場合があります)

西梅田シティクリニックでは、事前にご予約いただくと土日祝でも検査を受けられ、胃カメラと大腸カメラを同日に受けていただくことが可能です。

胃カメラ検査

胃視鏡検査(胃カメラ)では、経鼻内視鏡または経口内視鏡により、上部消化管である食道、胃、十二指腸の観察を行う検査です。
早期のがんは自覚症状がほとんどありません。
がんリスクが上がる40歳になったら一度、胃カメラ検査を受けるとよいでしょう。

胃カメラ検査で見つかるがんは以下の通りです。

  • 食道がん(早期がん含む)
  • 胃がん(早期がん含む)
  • 十二指腸腫瘍(がんなど)

大腸カメラ検査

日本の死亡原因で一番多いがんの中で、「大腸がん」は男女とも臓器別の死亡者数で上位に入ります。
大腸内視鏡査(大腸カメラ)とは、肛門から内視鏡を挿入し、直腸から盲腸までの全大腸(一部小腸)を調べる検査のことです。

大腸カメラ検査では、便潜血検査や注腸X線検査といった従来の大腸検査では見つけることが難しかった早期発見が可能となるため、大腸がんの予防と早期発見に大腸カメラ検査が推奨されています。

大腸がんの殆どがポリープから始まることが分かっています。
当院では状況により日帰り切除手術が可能です。
早期発見することで、手術や抗がん剤など苦痛の伴う治療を行うことなく、完治することができます。
親族にがん患者がいる方や、気になる症状がある方は、追加で検査を受けることをおすすめします。

日頃から気をつけるべきこと

がんを予防するためには、適切な生活習慣を心がけることが大切です。
以下の内容を心がけ、がんとは無縁の生活を送りましょう。

禁煙する

日本人を対象にした研究によると、たばこは子宮頸がん・膀胱がん・胃がん・大腸がん・肝細胞がん・膵臓がん・食道がん・頭頸部がんなどの発症と関連があると報告されています。

また、たばこを吸う人は吸わない人に比べてがんを発症する可能性が1.5倍程度高いことがわかっています。
がんを予防するためにも、自身がたばこを吸わないようにすることが必要です。
また、他人のたばこの煙を吸わないようにすることも重要です。

アルコール摂取を抑える

日本人を対象にした研究によると、1日あたりの平均アルコール摂取量が純エタノール量換算で23g未満摂取した方と比較した場合、46g以上の量を摂取した方で40%程度、69g以上の量を摂取した方で60%程度がんになるリスクが高まることが報告されています。

お酒は大腸がんや食道がん、肝細胞がんと関連性があるとされています。
女性の場合は、乳がんのリスクが高くなるのが特徴です。
お酒を飲む場合は、目安として1日あたり23g程度(1日あたり純エタノール量換算)までとしましょう。

参考までに以下の飲酒量を目安としてください。

  • ビール大瓶(1本)
  • 日本酒(1合)
  • 焼酎・泡盛(原液で1合の2/3)
  • ワイン(グラス2杯程度)
  • ウイスキー・ブランデー(ダブル1杯)

減塩する

塩分濃度の高い食事をする傾向がある方は男女ともに胃がんのリスクが高まるとされています。
目安として、男性は1日7.5g未満、女性は6.5g未満の摂取量を意識する必要があります。
塩分を控えることで胃がんだけでなく、循環器疾患や高血圧も予防できるため、しっかり取り組みましょう。

運動する

日頃から運動習慣があり、身体活動量が高い人ほど、がんを発症する可能性が低くなるとされています。
目安として、18〜64歳の方は、ウォーキングやそれと同等以上の強度の活動を1日60分おこないましょう。
65歳以上の方は強度を問わず、身体活動を40分程度おこなってください。


監修医師紹介
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
医療法人 星敬会 理事長
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