オプション検査で何ができる?
病気の予防や早期発見に欠かせない年に一度の定期健康診断。
労働安全衛生法で定められている検査項目とは別に「オプション検査」があることをご存知でしょうか?
オプション検査とは?
オプション検査は、健康診断に加えて任意で検査を行うことができる項目のことで、疾患ごとに精度の高い検査が受けられます。
性別や特定年齢など受診条件がある検査と、条件がなく誰でも受診可能な検査があります。
- 受診条件がある検査
それぞれの検査に定められた条件に当てはまる人は、その検査によって発見される疾患の発症リスクが高いため、検査受診を推奨されています。
既往歴があり、医療機関への受診機会があれば健康診断に付加して検査を行う必要はありませんが、受診機会がない場合は、健康診断を受ける際に一緒に検査することをおすすめします。 - 受診条件がない検査
誰でも受けることができます。
家族歴のある方や、気になる部位がある方はそれに応じた検査の受診をおすすめします。
オプション検査は受診義務のない任意検査のため、受診費用は自己負担(保険適用外)となります。
また、基本的に当日の追加検査はできず、事前予約の上検査を行う医療機関が多いため、オプション検査を希望される方は事前に健診を受ける医療機関に確認をしておきましょう。
オプション検査の種類
胃の検査
【費用目安:¥15,000】
胃内視鏡検査(胃カメラ)を使用することで、胃だけでなく食道や十二指腸を見ることができます。
また、レントゲンの使用で胃がんや食道がん、胃潰瘍、胃ポリープの発見にも役立ちます。
大腸の検査
【費用目安:¥25,000】
便潜血検査では、大腸がんなど何かしらの疾患の可能性の有無を調べることができます。
大腸内視鏡検査(大腸カメラ)をすることで、日本人の罹患率・死亡率が非常に高い疾患である大腸がんの早期発見が可能です。
肺の検査
【費用目安:¥15,000】
胸部CT検査により、肺がんや結核、肺炎など胸部の疾患の有無を判断します。
喫煙者は非喫煙者より肺がん発症のリスクが非常に高いとされているため、喫煙習慣のある方は定期的に受診することをおすすめします。
肝臓・腎臓・胆のう・脾臓・膵臓などの検査
【費用目安:¥4,400】
腹部超音波検査(エコー検査)によって、腹部のあらゆる臓器を一度に検査できます。
肝臓は『沈黙の臓器』、膵臓は『暗黒の臓器』と呼ばれることがあるように、これらは病が発症しても自覚症状がないことが多く、疾患が見つかる頃には状態が悪化しているなど、疾患の発見が難しいとされています。
子宮・卵巣の検査
【費用目安:¥3,300~¥8,000】
子宮頸がんは、がんのリスクが高まる40代だけでなく、20~30代も発症リスクが高いとされているため、20歳以上の女性であれば年齢に関わらず受診を推奨します。
子宮頸部細胞診や経腟超音波検査(経腟エコー検査)から、子宮・卵巣のがんの有無や、子宮嚢腫、子宮筋腫などを見つけることができます。
乳房の検査
【費用目安:¥4,400~¥11,000】
乳がんの有無を調べるために乳腺超音波検査(エコー検査)、マンモグラフィ検査を活用します。
乳がんは、日本人女性の9人に1人が罹患しているとされ、どの年代でも罹患する可能性があります。
罹患者数が増える30代から、1~2年に1度は受けた方が良いとされる検査です。
前立腺の検査
【費用目安:¥2,200】
PSA検査(血液検査)は、腫瘍マーカー検査と呼ばれるスクリーニング検査の一種です。
がん診断のサポートや診断後の経過・治療の効果を見るのに加えて、再発や転移の有無を調べる際にも行うことがあります。
肝炎ウイルスの検査
【費用目安:¥1,000~¥3,000】
血液検査により、肝炎ウイルス感染の有無を調べます。
B型肝炎・C型肝炎をそのまま放置してしまうと、肝硬変や肝臓がんに移行する恐れがあります。
肝炎ウイルス検査は、生涯に一度は検査するべきとされています。
より精度の高い検査を
オプション検査はしなくても困らないけど、した方が安心な検査です。
定期健康診断よりも詳しく、精度の高い検査を行うことができます。
病気の中には、遺伝的要素が発症に関連している場合もあるため、家族の既往歴は把握しておきましょう。
その既往歴に関するオプション検査は受けた方が安心です。
他にも、年齢・性別・生活習慣・予算も考慮して選びましょう。
オプション検査は、定期健康診断に含まれない項目の検査を行うことで、その部位の病気を早期に発見できる可能性が高まります。
健康診断を自身のカラダと向き合うきっかけとし、健康に過ごせるようにしましょう。